土方奈緒ブログ

給与か外注費か?②

お待たせしました!

給与か外注費か?①のつづきです。

 

じゃあ、どうすればいいの?どちらになるの?

 

判断基準は以下のとおりです。

事業者が請負契約等において自己の計算で独立して事業を行う場合

その者に対する対価は外注費として取り扱われます。

簡単にいえば  

給与・・・雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価

外注費・・・請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価  

 

ただし、実態として形式的に契約書があれば外注費になるというようなものでなく、その区分が明らかでないケースも多いです。

 

明らかでない場合どうするのか?

「業務の実態」に応じて、判断を行うことになります。

「形式上」と以下の①~⑤を総合的に勘案して判定するんですね。

 

①その契約に係る役務の提供に他人が代替して業務を行えるかどうか

代替して業務を行うことができるのが外注費となります。

仕事の基準を満たしておれば、外注先のスタッフや孫請けに仕事をやらせてもいいことになります。  

 

②外注先の企業が自ら請負金額を計算し、請求書を発行しているか

外注先は契約に基づき自ら請負金額を計算し、請求書を発行したうえで支払いを受けます。

 

請求書などもなく、請負金額も発注元が時間を単位として計算して支払っている場合は雇用関係があるとみなされる可能性があります。

ですから、まずは請求書を発行してもらうのは基本ですね。

 

③役務の提供に当たり事業者の指揮監督命令を受けるかどうか

指揮監督命令を受けないのが外注費となります。

外注であれば業務の進行や手順について自由に決めれます。

指揮監督命令を受けるということは、雇用関係があるとみなされる可能性ありです。  

 

④まだ引き渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利としてすでに提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか

請求することができないのが外注費となります。

外注であれば期限内に商品を納品できなかった場合は、対価の支払いは行われないはずです。  

 

⑤役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか

自分で材料を用意するのが外注費になります。 給与であれば、作業に使う材料などは用意されるはずです。

 

①~⑤の基準を満たすのであれば外注費といえるでしょう。

総合的に判断するので、税理士に相談することをおすすめします。

 

給与か外注費か?①

会社が支払った経費が「給与」になるのか「外注費」になるのか???

 

これは税務調査などでもよく問題となる点であり、お客様にもよく説明

するお話しです。

 

では、税務上なにがちがってくるのか?というお話しをしますね。

 

まず給与・・・

アルバイト、パート、社員などいろいろな雇用形態がありますが、

すべて給与支給時に所得税の源泉徴収義務が生じます。

また、給与に対して消費税はもちろんかかりませんので、

消費税は不課税取引として取り扱われます。

 

外注費・・・

外注費の場合は、源泉徴収の必要はなくなります。

(ただし、所得税法第204条第1項に該当する報酬・料金については、源泉徴収が必要です)

また、外注先への支払いは消費税がかかりますので、

消費税は課税仕入取引として取り扱われます。

 

両者を比べてみると、外注費で支払った場合は、

源泉徴収義務がなく!

消費税を原則課税で計算している場合は消費税に関しても課税仕入取引となるため

実際の消費税の納税額が減ることになる!。

 

また外注費の場合は社会保険の加入義務もないので、

会社が社会保険料を負担しなくてよい!

 

一見すると、外注費で処理するほうが会社にとって有利であるように思われます。

 

でも気をつけてください。

簡単に「給与」にするか、「外注費」にするかは会社が勝手に決めていいものではないんです。

 

「契約内容」や「業務実態」などの客観的な事実関係で判定します。

 

そのため、税務調査で問題なることが多いんですね。

 

注意すべきことは次回につづきます。